外国人に日本のルールを教える。その役割を、外国人自身が担う町があります。
群馬県大泉町。人口約4万人の町に、約9,000人の外国人が暮らしています。
住民の約5人に1人が外国人という、全国でも珍しい町です。
この町には、多文化共生を支える興味深い取り組みがあります。
一つは「文化の通訳」です。
言葉を訳すだけではありません。日本の生活習慣や地域のルールを、外国人住民が母国語で伝えます。
文化の違いを理解し、行政と外国人住民の橋渡し役を担います。
もう一つは、行政職員による企業訪問です。
外国人を雇用する企業に町職員が出向きます。ごみの分別や交通ルール、防災などを説明します。
職場だけでは教えきれない地域生活の基本を、行政が直接伝える仕組みです。
特徴的なのは、外国人の受入れを企業任せにしない点です。
企業は働く場所を提供します。行政は暮らしを支えます。そして外国人住民自身も、地域をつなぐ役割を果たします。
外国人材の受入れというと、採用人数や人手不足の解消に目が向きがちです。
しかし、働くことと暮らすことは切り離せません。
大泉町の取り組みが示すのは、外国人を単なる労働力ではなく、地域社会をともにつくる住民として迎える姿勢です。
共生とは、外国人に日本を理解してもらうことだけではありません。
互いを理解する仕組みを、地域全体で育てることなのかもしれません。
